軸受座の下に引け巣が開くのは、半円の座面を囲む 5–8 mm の壁が最後に凝固し、その塊へ湯を送る道がすでに閉じているからだ。原因は溶湯の清浄度ではなく重力鋳造の工程で決まり、ボーリングはそれを後から掘り出すだけである。
部品は A356-T6 の分割ハウジングで、120×95×70 mm、内孔は Ø60 H8。どちらも設計目標の値だ。座は軸受メタルを受ける半円の面で、パーティングラインをまたいで二つに分かれる。
座の下に引け巣ができるのは、その領域が最後に凝固するためだ。まわりの壁はすでに固まっており、閉じた殻の中で収縮する金属は、引く先を持たない。空洞は最も厚い塊の中心、ボーリングが削る面の下に開く。水分の多い装入材から出るガス気孔は鋳物のどこにでもできるが、この欠陥は厚い断面にとどまる。
機械加工は、空洞を封じていた健全な表皮を削り取る。だから鋳造工場の目視に通った面に穴が現れる。この遅れが証拠になる。ボーリングのあとで初めて見える欠陥は、鋳込み側のものだ。ボーリング工程だけを積んだ見積では、その欠陥を消せない。
引け巣へ湯を送るのは、半円の座面の後ろにある 5–8 mm の壁だ。薄い側が固まったあとも、この帯の厚い側は液体のまま残る。A356(AlSi7Mg、GB/T 1173 ZL101A)は一つの温度で固まらず、温度幅のなかで凝固する。最後の液体は最も厚い断面の中心に残り、押し湯とのつながりはもうない。
壁を強度の余裕として読むと、対策は逆を向く。5–8 mm という目標は軸受荷重から来た値で、給湯の伴わない肉盛りは、ハウジングの剛性を上げる代わりに、空洞を大きくする。
Ø1 mm を超えた穴は廃却、Ø1 mm 以下で、座にほかに欠陥がなければ合格だ。判定線は加工後の座を目で読み、浸透探傷試験で確かめる。初品の報告書には廃却の基準として載せ、手直しの覚書にはしない。
座は軸受メタルとの接触面だから、その大きさの穴は、押し付けたときの接触を途切れさせる。痕を測った値に当てて判定すれば、費用の負担も決まる。部品は図面の数字に対して廃却か合格かが決まり、痕の見え方では決まらない。
浸透探傷試験が示すのは、加工面に達していながら、ランプの下では工具のこすれ跡に見える空洞だ。染料は見えないほど細い開口に入り、現像剤がそれを引き出す。指示模様は、仕上げ面が連続して見えていた場所を指す。
この検査は鋳物側のもので、ボーリングのあと、最終検査の前に入れる。加工面がこれを受けるのはそのためだ。図面に書く価値のある限界が一つある。表皮の下で閉じたままの空洞は染料を保持しない。壁にポロシティが残っていても、PT はその部品を合格にする。
変えるのは鋳込みの給湯だ。加工後の座に開いた穴は、後から閉じられない。押し湯を座の節点まで届かせ、壁の厚い側が凝固するときも、その背後に金属が残るようにする。注湯温度は 700–740 °C の帯、金型の予熱は 250–350 °C の帯で、いずれも鋳造工場の確認待ちの一般的な範囲である。
熱処理も同じ考え方で決める。溶体化処理が 535–545 °C、水焼入れ、そのあと 155–165 °C で 4–6 h の時効という順だ。これも鋳造工場の承認待ちの一般的な範囲だ。ショットブラストは、分割面を削る前、内孔を削る前に行う。加工面はあとからブラストしない。座をブラストした時点で、それは工程の誤りだ。仕上げの選択ではない。
| 項目 | 目標 | 許容範囲 | 確認方法 |
|---|---|---|---|
| 半円座面の壁 | 5–8 mm | 図面どおり 5–8 mm | 図面、断面 |
| 加工後の座の引け巣 | 開口なし | Ø1 mm まで、超えたら廃却 | 目視、のち PT |
| 内孔 | Ø60 H8 | 図面の H8 限度 | マイクロメータ |
| 鋳肌のブラスト | Sa 2.5 | Sa 2.5 以上 | ISO 8501-1 比較片 |
| ボーリング後の加工面 | 削り出しのまま | 加工後のブラストなし | 工程票 |
座の断面、Ø1 mm の廃却線、浸透探傷の工程を記した図面を送る。そうすれば見積は、鋳込みの給湯と、機械側の切削を分けて出す。