ベゼルリングの価格は四行でできている。金型償却、ダイカストとゲート除去、研磨と旋削、メッキと試し圧である。リング内の 4.5 g の Zamak 5 は四行の中で最も小さく、重量から組んだ見積もりは大きく外れる。
リングは ASTM B86 AC41A で鋳造し、後処理 とメッキラインで仕上げる。各行は別の要因で動くので、二社の見積もりは同じ構造に分解して初めて行ごとに比べられる。
四行の背後に11 の工程がある。ダイカスト、ゲート除去、バレル、研磨、ボアと段と外径の旋削、脱脂と活性化、銅、ニッケル、クロムと乾燥、そして検査である。
工程の伸び方は一様でない。鋳造とゲート除去はショット数、バレルと研磨は表面積と取扱い、旋削は段取り、メッキは掛具密度と層数に比例する。
鋳造とメッキだけを並べた見積もりは、サプライヤ間で最も差が出る二工程を落としている。0.05 mm の真円度を保つ旋削段取りと、その前の研磨である。
膜は薄いが、取扱いは薄くないからだ。三つの金属は三つの槽、三回の掛け外し、三回の不良機会を意味し、リングはその間ずっと手を渡る。
価格を動かすのは膜厚より掛具密度である。リングは重量ではなく直径で掛具を占めるので、同じ掛具に載る本数は小物より少なく、一本あたりのコストは直径とともに上がる。
色が三つ目の要因になる。ΔE 1 以下の色合わせは初品と色見本の比較を要し、色を変えれば両方がやり直しになる。この作業はメッキ単価ではなく初品として見積もる。
メッキの隣の独立した一行である。相手ケースと 200–600 N の力帯を使い、メッキ後にも圧入できることを示す唯一の確認になる。
試し圧は量産開始時の一度きりの費用ではない。色を変えるたび、膜厚を変えるたび、ケースのロットが変わるたびに開き直す。嵌合は膜とケースの両方で決まるからだ。
試し圧を省いた見積もりは安いのではない。確認を顧客の組立ラインへ移しただけで、そこで入らなければリングと周囲の工数が損になる。
金型は部品の大きさではなく、キャビティ数と寿命で値段が決まるからだ。このリングは6 キャビティで、設計目標 40 万ショットの型を使い、金型費はそのショット数で割る。
小さいリングは一ショットで6 個取れるので一個あたりは薄くなる。これは利点だが、金型自体が小さいから安いわけではない。6 キャビティ、8407 のインサート、リングゲートは、それだけの費用がかかる。
したがって一個あたりの金型費は受注量で下がり、型を切った後の設計変更のたびに上がる。肉厚変更、ゲート変更、キャビティ変更は型変更であり、償却をやり直す。
数量が動かすのは金型の行で、残り三行はほぼ動かない。注文が倍になれば金型費の一個あたりは半分になるが、鋳造、研磨、メッキの工数は半分にならない。
見積もりには数量のほかに三つの入力が要る。色の数、試し圧の回数、図面の版である。どれも初品か段取りを一回増やし、一個の価格では吸収できない。
重量で見積もるサプライヤは重いリングで安く、軽いリングで高く出す。四行で見積もるサプライヤだけが比較できる。図面、色数、試し圧の要否を一緒に送れば、行ごとに照合できる。
| コスト行 | 構成 | 連動するもの | 比較のしかた |
|---|---|---|---|
| 金型 | 6 キャビティ、設計目標 40 万ショット | 受注量 | 提示ロットでの一個あたり |
| 鋳造とゲート除去 | 十一工程、20–30 s サイクル | ショット数と不良率 | ゲートでの不良余裕 |
| 研磨と旋削 | バレル、研磨、旋削一段取り | 研磨面数と段取り数 | 見積もりの段取り数 |
| メッキと試し圧 | Cu/Ni/Cr 18–27 µm、200–600 N | 掛具密度と層数 | 試し圧を含むか |
旋削の段取りと研磨は、二つの見積もりが最も分かれる場所である。合計を比べる前に、この二行を名指しで取り寄せる。