内孔と取付面を別の基準から削ると、ハウジングは 0.05 mm の直角度を外す。二度目の段取りは部品を分割面でつかむため、その面の誤差がそのまま軸へ移るからだ。原因はポストマシニングの工程にあり、三次元測定機はそれを報告するだけである。
部品は A356-T6 の分割ハウジングで、120×95×70 mm、内孔は Ø60 H8。いずれも設計目標の値だ。A356(AlSi7Mg、GB/T 1173 ZL101A)の二つの半割は金型で鋳造し、Sa 2.5 までブラストし、分割面を平らに削り、ボルトで締めて一つの胴としてボーリングする。
これほど小さな傾きは、段取りが替わるまで公差の内側に隠れている。分割面は一度目の段取りで削られ、二度目の位置決め面になる。内孔はその爪から削るが、図面は取付面から位置を決めている。二つの基準の間の距離が、内孔の傾きとして表に出る。
内孔を削り直しても、その傾きは消えない。次の鋳物が同じ二つの基準を繰り返すからだ。対策は、図面のデータムの指示を直すか、部品を放さずに取付面と内孔を削る一つの段取りのどちらかにある。
一度目の段取りは分割面を平面度 0.05 mm に削る。二度目は半割を締め、Ø60 H8 の座を中ぐり盤に載せ、4ר9 のフランジ穴は三つ目の工程に残す。段取りが替わるたびに部品はゼロ点を取り直し、クランプの基準に使う分割面は、軸受が当たる面ではない。
締結そのものもずれを足す。半割は、平らなのは 0.05 mm の範囲だけという面で閉じるからだ。ボーリング一工程の値段を出した見積は、その受け渡しの一つを数えただけで、順序そのものを数えていない。
取付面には、ハウジングをフレームに締める四つの耳が付く。内孔は軸受を受ける。この二つの直角度が、軸が振れずに回るか、組み込みで渋るかを決める。内孔が傾けば、外輪は片側の縁で摩耗する。
その面がデータムとして指示され、削られるのは、鋳肌のままでは 0.05 mm を保てないからだ。ブラストは分割面を削る前に行い、削った面はあとからブラストしない。ハウジングが座る面は、中ぐりバイトが残したままになる。
三次元測定機は内孔の軸をいくつかの断面から取り、取付面を平面として、0.05 mm に対する偏差を報告する。定盤とすきまゲージは分割面だけを読むため、傾いた内孔でもその検査は通る。
読みはデータムの名を添えて初品の報告書に載せる。同じ数字でも、分割面から取れば意味が変わるからだ。三次元測定機がどちらの面を使ったか言えない工場は、呼び出しを測っていない。
削れない。分割面は内孔を削った基準だから、あとから削ると内孔の位置を決めていた材料が消え、半割は新しい平面で閉じる。内孔は削り直しになり、その削り直しは、独自の段取りと独自の初品を伴う二度目のボーリングである。
順序は工程票のままにする。分割面を削り、半割を締め、座をボーリングし、フランジ穴をあける。この順序から外した工程は、再ボーリングという代償を連れてくる。再ボーリングは、この流れのなかで検査が取り戻せない唯一の加工である。
| 項目 | 目標(mm) | 許容範囲 | 確認方法 |
|---|---|---|---|
| 内孔と取付面の直角度 | 0.05 | 内孔全体で 0.05 以下 | 三次元測定機 |
| 内孔径 | Ø60 H8 | 図面の H8 限度 | 内径マイクロメータ |
| 分割面の平面度 | 0.05 | 図面どおり 0.05 以下 | 定盤とすきまゲージ |
| フランジ穴 | 4ר9、位置度 Ø0.3 | Ø0.3 以下 | 通止めゲージ、試し組み |
| フランジ部の壁厚 | 5–8 | 図面どおり 5–8 | 図面、断面 |
| ボーリング後の加工面 | 削り出しのまま | 加工後のブラストなし | 工程票 |
取付面をデータムとして名指しし、内孔に 0.05 mm の指示を入れ、初品の要求を記した図面を送る。そうすれば見積は、二度目の段取りとボーリングそのものを分けて出す。