ベゼル押さえリングの内側でめっきが薄く見えるのは、3 本の爪に囲まれた空洞が電流を遮り、内壁に届く金属が外周の帯より少なくなるためである。浴の管理が正しくても、内面は 3 µm の下限を割ったままになることがあり、めっきしたリングは外側だけを見れば完成品に見え、内側の測定値で落ちる。
部品は Ø26 × 2.0 mm のリングで、ASTM B86 AC41A で鋳造する Zamak 5、壁厚は 0.8 mm、3 本の爪は 120° ごとに置く。いずれも設計目標の値である。めっきは最後の工程で、ゲート除去、バレル研磨とポリッシュ、脱脂のあとに来る。浴に入る表面は、すでに最終形状になっている。
凹みは遮蔽物として働くので、金属は電界がさえぎられずに届く面ほど速く析出し、ポケットの底には最後にしか届かない。ここでは内壁が深さ 2.0 mm の開口の奥にあり、被覆すべき面から電流を遠ざける形状になっている。
残りはつき回し(スローイングパワー)で説明がつく。深い凹みへめっきが回る浴は、そうでない浴より内壁を厚く覆う。同時に、掛け位置が浴の届く凹みを決める。リングを平らに吊るすか、開口をマスクで覆うと、空洞を陽極に向けて吊るすより内側の電流が減る。同じロットの 2 本が、違う内面の測定値で槽を出ることがある。
下限は 3 µm で、問題の面を X 線で読んだ値である。ニッケルの一般的な 3–5 µm の範囲の下端にあたるので、遮蔽された面に余裕はない。外周の帯で 5 µm あっても、その奥の 0.8 mm の壁については何も言えない。
測る点は、バッチが始まる前に決める。内壁と外周の帯は別の面で被覆の状況も違い、帯で採った 1 つの数字は問いの答えにならない。面と測定点とゲージを初品報告に入れ、以降の注文でも同じ点を測る。
3 本の爪先が風防の縁を押さえ、底面がケースに座り、外周の帯が径を決める。これらの面は何かに触れるので、膜厚を確保する必要がある。空洞の残りは構造体で、嵌合を動かさずに薄くてもよい。
この切り分けが、掛け方とマスクを変える。触れない面を止めるほうが、空洞全体を 3 µm に仕上げるより安く、電流は荷重を受ける面へ回る。被覆は、めっきの前に図面で決める話である。
ニッケルと Cu/Ni/Cr の違いは、凹みへの回り込みではなく、腐食の経路と外観にある。どちらも同じ遮蔽された空洞にめっきする。単層のニッケルを 3–5 µm 付けた状態は、Zamak 5 の上に灰色の障壁を残す。銅・ニッケル・クロムの積層は、Cu 8–12 µm、Ni 5–8 µm、Cr 0.1–0.3 µm を加え、合計で 13.1–20.3 µm になる。
銅は面をならし、ニッケルは封じ、クロムは硬く明るい表層を与える。3 層仕上げが露出するベゼルに向くのはそのためである。厚い積層でも、空洞への回り込みがニッケル単層より良くなるわけではない。遮蔽はそのままで、内壁はやはり下限を割りうる。積層は組立の要求で選び、被覆はどちらでも数値で証明する。
3 つの検査で一緒に答える。指定した面の X 線膜厚、ASTM B571 の熱衝撃でふくれがないこと、ASTM B117 の 96 h 塩水噴霧である。熱衝撃のあとのふくれは層間の密着を、内壁の腐食は薄い箇所を示す。
目視で通るのは、帯が明るいということだけである。内側の被覆は、空洞から採った数値で証明する。だからサンプル計画は、生産の前に内面を指定する。試験は見積の行であり、バッチを出すのは光沢ではなく測定値である。
| 項目 | 数値 | 何を決めるか | 確認方法 |
|---|---|---|---|
| ニッケル、外周の帯 | 3–5 µm | 見える面 | X 線膜厚 |
| ニッケル、内壁 | 3–5 µm | 接触する面 | X 線膜厚 |
| 3 層積層 | 13.1–20.3 µm | 仕上げと腐食経路 | 層ごとの測定値の合計 |
| 熱衝撃 | ふくれなし | 密着 | ASTM B571 |
| 塩水噴霧 | 96 h | 薄い箇所 | ASTM B117 |
3 µm に届くべき面に印を付け、積層を指定し、掛け方を先に合意した図面を初回バッチの前に送る。この 3 つの答えが、めっきの苦情を、二社目も満たすべき出荷基準に変える。