プライベートブランドの押さえリングの案件は、四つの記録で回る。図面の改訂番号、色と仕上げの見本、金型の帰属を記したロット票、そして圧入試験を添えた初品報告書である。Ø26.0 mm の環帯は注文の間でほとんど変わらない。二回目の注文が一回目に揃うかどうかを決めるのは、記録のほうだ。図面が同じでも、記録が欠ければ二回目は新しい仕事として始まる。
部品は Zamak 5(ASTM B86 AC41A)の肉厚 0.8 mm の壁で、内側に三本の爪を 1.2±0.05 mm の爪高さで鋳込む。いずれも設計目標の値である。ダイカストのセルが形を一度決め、その後のロットは前のロットではなく書類と突き合わせる。
五つの寸法と一つのメッキ構成を、型を切る前に決める。寸法は外径、肉厚、爪高さ、爪位置、平面度で、Ø26.0 0/-0.05 mm、0.8±0.05 mm、1.2±0.05 mm、Ø0.1 mm、0.05 mm である。構成は Ni 3–5 µm、または Cu 8–12、Ni 5–8、Cr 0.1–0.3 µm の三層だ。
型を切った後の変更は、型の仕事になる。肉厚と爪は 8407 の同じインサートを共有しているので、どちらかを動かせば鋼を削り直す。
圧入の窓も同じ判断に入る。爪高さ 1.2±0.05 mm は、相手ケースを付けて読む 80–200 N に対して初めて意味を持つ。これは嵌合の測定であって、現場の手応えではない。窓を決めずに型を切れば、圧入のたびにプレスを合わせ直すことになる。
四つの書類が案件を運ぶ。2D 図面は公差ごとに、メッキ前とメッキ後のどちらの段階に掛かるかを書く。3D モデルは断面では表せない面を補い、物としての見本が仕上げを決め、ロット票が数量と金型の帰属を記す。
静かに壊れる記録は、図面の改訂である。改訂番号がロットに付いて来なければ、メッキ後のリングをメッキ前の寸法で検査することになる。台上では通るが、ケースは受け付けない。
見本は写真ではなく、物の基準である。画面はそれ自身の色かぶりを足すので、モニタで承認した仕上げは、そのモニタに対して承認したことになる。写真を送っても、その写真は別の画面で別の色になる。基準はメッキ屋に預けたままにする。
それぞれの記録は、一つの数とその帯を運ぶ。
| 記録 | 運ぶ数 | 目標 | 許容範囲 |
|---|---|---|---|
| 図面の改訂 | 外径 | Ø26.0 mm | 25.95–26.00 mm |
| 図面の改訂 | 肉厚 | 0.8 mm | 0.75–0.85 mm |
| 初品報告書 | 爪高さ | 1.2 mm | 1.15–1.25 mm |
| 初品報告書 | 圧入力 | 80–200 N | 相手ケースで 80–200 N |
| 色見本 | ニッケル膜厚 | 3–5 µm | 3 µm 以上 |
| ロット票 | 爪位置 | Ø0.1 mm | Ø0.1 mm 以下 |
金型は一度値付けし、ロットで割る。500,000 ショットを設計目標にした八キャビティの型は、設計寿命で四百万個のリングに費用を配る。一個あたりの負担は、注文が増えるほど下がる。数百個では、金型の行が鋳造、整修、メッキの合計を超えることがある。
二回目を繰り返せるかを決めるのは、帰属である。顧客の型なら、二回目の注文に金型の行は載らない。受注者の型なら、もう一度償却するか、新しい負担額で見積もる。
1.8±0.2 g のリングは、グラムではなくショットで見積もる。
遅れて効いてくる場所は二つある。画面で承認した仕上げと、初品の後にずれる爪高さである。ある記録では二つ目がプレスの上で出た。1,000 個のうち七本の爪根が 320 N で折れ、それは 200 N の上限の 1.6 倍だった。爪根の R とストロークストッパで、そのロットは収まった。初品で一度通った値でも、ロットが進むほど動く。薄肉のケースフレームは同じ肉厚の問題を、より大きい部品で負っている。
一つ目の滑りは、リングではなく日程を削る。見本に合わない仕上げは、メッキのやり直し、初品の取り直し、二度目の圧入試験を呼ぶ。
見積もりに入るのは四行である。金型の償却、ゲート除去を含む鋳造、爪の整修と研磨、そして試し嵌めを含むメッキ。試し嵌めを独立の行にするのは、仕上げが変わるたびに繰り返すからだ。
重量から組み立てた見積もりは、そのうち二行を落とす。メッキは治具の密度とマスキングで値付けし、整修はバリ取りではなく 1.2±0.05 mm の窓に対して値付けする。
問い合わせには四つの入力が来る。2D 図面、STEP か IGES のモデル、サンプルか外観基準、そして金型の帰属を含むロット数。一つ欠ければ、返ってくるのは見積もりに着せた概算である。四行が揃っていれば、二社目の見積もりも同じ前提で並ぶ。
仕上げの変更は三つの手順を繰り返し、型には触れない。見本の比較、初品のやり直し、相手ケースを付けた圧入試験の再実行である。見本を替えた日の初品は、前の初品の値と並べて読む。
理由は膜の構成にある。三層は計算で 13.1–20.3 µm になり、リングを両側で 0.026–0.041 mm 太らせる。外径は片側 0.05 mm の帯しかないので、その成長はケースではなく公差を削る。
変更管理が、繰り返しを正直に保つ。変更票には図面の改訂番号、置き換える見本、新しい初品の日付を書き、古い見本は退役させる。
図面を改訂番号ごと、見本か基準、ロット数と金型の帰属を添えて送る。そうすれば整修とメッキの工程は、説明ではなく図面に対して見積もれる。